指示された期限内の印鑑証明書を提出したはずなのに!?

2018/09/25
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最終更新 2020/05/03

 


 

印鑑証明書の有効期限

過去に登記簿謄本の有効期限についてブログ記事を書きました。

今回は、その有効期限に関係する不思議なお話です。

 

 

融資の申込みと印鑑証明書

 

以前、某企業が某金融機関に融資の申し込みをしたときのことです。

 

求められた印鑑証明書

 

金融機関から提出を求められた印鑑証明書は、発行日から3か月以内のもの

ということだったので、

その企業は、金融機関に提出・受領の時点で3か月以内

(実際には期限の2日前)の印鑑証明書を提出しました。

 

期限内のはずだったのに。。。

 

しかし、後日、金融機関の担当者から企業に対して連絡があり、

「3か月を過ぎているので、新しい印鑑証明書を提出し直してください」

といった趣旨のことを告げられました。

 

企業の担当者が手元の控えを確認したところ、

間違いなく3か月以内ものを提出していたので、

「何かの勘違いではないですか?」と金融機関に再確認を求めたところ、

金融機関の担当者は、

「金融機関の内部処理の問題ですが、

印鑑証明書は、融資決定日の時点で3か月以内でなければならないのです」

とった趣旨の説明をしたそうです。

 

提出を求める金融機関がそのように再提出を求める以上、

通常は応じざるを得ません。

その企業は、指示を受けた翌日には印鑑証明書を再提出しましたが、

融資実行日(実際に借入金が口座に振り込まれる日)は、

当初の予定日を過ぎてしまいました。

 

それって、どうなの?

 

その借入金は、融資実行日に他社への支払いに充てるような予定の資金ではなかったため

幸いにも大事には至りませんでしたが、

もしもその借入金を約束手形の決済資金などの予定だった場合は、

1日でも遅れれば手形の不渡りになって、

事実上の倒産に陥るようなおそれもあった訳です。

(銀行取引約定書では、手形の不渡りがあると、

借入金の一括返済をしなければならないルールになっています。)

 

仮にそのような内部事情があるのであれば、

あらかじめ「ちょうど3か月だと期限切れになるので、

期限に1週間程度の余裕のある印鑑証明書を提出してください」

などの注意をしてくれなければ、融資を申し込む側では判らないですよね。

 

その話をお聞きしたとき、ちょっと不親切だな、と感じました。

 

そもそも、その金融機関の内部処理の問題とはいえ、

受付の時点で3か月以内なのに

NGというのは、珍しいケースだと思います。

相手方の内部処理の時間なんて、

通常、申込側、申請人側ではコントロールできませんからね。

たまたま審査に時間がかかったから、再提出を求められる

というのには、違和感があります。

 

融資を申込む人は、お気を付けください。

 


 

 

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司法書士 木崎正亮

 

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