公務員の兼業禁止と不動産の相続。大丈夫ですか?

2016/01/21
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佐賀県で、消防士(地方公務員)のかたが、

父親から不動産を相続し、その賃貸業を営んでいたとして、

公務員の兼業禁止違反に当たるとされ、

減給10分の1(3カ月)の懲戒処分を受けたという

佐賀新聞(2016.1.19)の記事がありました。

 

国家公務員の兼業は、原則として禁止されています(国家公務員法103条)。

地方公務員も同様です(地方公務員法38条)。

 

公務員には、その職務に専念する義務があったり、

民間企業と癒着するおそれがあったりするためです。

 

もっとも、現在公務員のかたが不動産を親から相続するようなケースもあります。

一定の規模以上の不動産賃貸業を営む場合は、

個人事業主と判断され、兼業禁止規定に抵触します。

 

具体的には、賃料収入が年額で500万円以上だったり、

一棟ものマンションだと5棟以上、

区分建物(マンションの一室)だと10室以上などの規模だと、

人事院の承認が必要になると決められています。

(後記の「人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」をご覧ください。)

 

この細かい規定を公務員自身が把握してなくて、

実は、この規定に抵触しているというケース、意外にありそうですね。

 

投資用の不動産を複数相続されるような場合は、気を付けましょう。

この規定があるから公務員を辞めないと相続できない、

という訳ではありませんので、お間違えのないように。

 

もしも、このようなケースに該当して、人事院の承認が下りなかった場合は、

一度、司法書士や弁護士などの専門家に相談してみても良いかもしれません。

(もちろん、弊社でもご相談を承ります。)

 

(ご参考)

  • 国家公務員法(抜粋)

 

(職務に専念する義務)

第百一条  職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、官職を兼ねてはならない。職員は、官職を兼ねる場合においても、それに対して給与を受けてはならない。

 

(私企業からの隔離)

第百三条  職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

○2  前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。

 

  • 人事院規則一四―八(営利企業の役員等との兼業)

 

 職員が営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね又は自ら営利企業を営むこと(以下「役員兼業等」とい う。)については、人事院又は次項の規定により委任を受けた者は、その職員の占めている官職と当該営利企業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがなく、かつ、営利企業に従事しても職務の遂行に支障がないと認められる場合であって法の精神に反しないと認められる場合として人事院が定める場合のほか 、法第百三条第二項の規定により、これを承認することができない

 

  • 人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について

(昭和31年8月23日職職―599)(人事院事務総長発) (通達)(抜粋)

 

3 「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。

4 前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。

二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合

(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合

イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。

ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。

ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。

ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。

ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。

(2)駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合

イ 建築物である駐車場又は機械設備を設けた駐車場であること。

ロ 駐車台数が10台以上であること。

(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合

(4)(1)又は(2)に掲げる不動産等の賃貸と同様の事情にあると認められる場合

5 「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。

一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。

(1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。

(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。

(3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。

 

(人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について)

 

 

司法書士・行政書士 木崎正亮

~相続と中小企業の法務ドクター~

博多駅の司法書士・行政書士 だいふく法務事務所

 

注:一般のかたにとって解りやすい説明を心がけています。専門用語や細かい言い回しを極力避けているため、必ずしも正確とはいえない表現が含まれていることがあります。本サイトに掲載している情報のご利用は、自己責任でお願いいたします。

 

(I write English translation experimentally. I do not guarantee accuracy of translation.)

 

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