相続対策の基本は遺言です。遺言は費用対効果の良い相続対策ですよ。
2018/01/31
相続対策には、生前贈与、法人化、民事信託、保険など、色々な方法があります。
その中でも「遺言」は、費用対効果の良い対策です。
相続対策は、遺言+α で進めることが多いです。(もちろん、状況によりますよ。)
例えば、「笑う相続人」対策は、きちんとした遺言を残せば、ほぼ大丈夫です。
【遺言の種類】
遺言には、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
ほかに秘密証書遺言や緊急時遺言などがありますが、ここでは割愛します。
・自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん):
全文を自分で手書きし、署名押印して作成する遺言
・公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん):
公証人に対して遺言の趣旨(内容)を口授(くじゅ)して作成する遺言
なお、口頭で意思表示ができない人の場合は、
筆談、パソコンその他の意思伝達手段を用いて
遺言を公証人に伝えることができれば、
公正証書遺言を作成することができます。
【自筆証書遺言の良い点、悪い点】
【良い点】
・なんといっても、いつでも自分で作ることができる手軽さです。
・費用がほとんどかかりません。
・誰にも言わなければ、完全に秘密に作ることができます。
【悪い点】
・遺言の内容が明確でないと、後でトラブルになることがあります。
例えば、「自宅を長男にあげる」「現金を二女に引き継ぐ」などの
記載は散見されます。この点は、後日、説明します。
・遺言者の死後、その遺言書について、
家庭裁判所で検認という手続をとらなければなりません。
この手続をとってからでないと役所や銀行での手続ができません。
時間と手間がかかります。
・遺言書は、全文を手書きしなければなりません。
・訂正方法もルールがあります。ルールが守られていないと、
訂正されていないことになったりします。
・紛失や滅失の危険があります。
・偽造、変造の危険があります。
【公正証書遺言の良い点、悪い点】
【良い点】
・公証人という法律の専門家があなたの話を聴いてから
遺言書を作ってくれますので、内容が不明確になるなどの
危険が大幅に減ります。
・文字を書くことができなくても、遺言書を作ることができます。
・遺言者の死亡後、検認という手続を受けなくても、
役所や銀行での手続ができます。
つまり、遺言書の内容をすぐに現実化できます。
・公証役場で長期間保管されます。
紛失や偽造などの危険がありません。
・全国の公証役場で、遺言書の有無を調査できます。
(遺言書の謄本の交付は、その遺言公正証書を作った公証役場でしか
受けることができません。)
【悪い点】
・公証役場に赴いて、あるいは公証人に出張してもらって、
公証人に会わなければ作ることができません。
「今すぐに書きたい」と思っても、
公証人の都合によっては無理かもしれません。
・公証人に支払う手数料がかかります。
手数料は、財産の金額によって異なります。
・遺言書を作成した公証人はもちろん、証人2名が必要なため、
完全に秘密にすることはできません。
【結論!公正証書遺言をお勧めします。】
結論としては、
遺言は公正証書遺言で作ることをお勧めします。
一長一短なので、目的や状況に応じて使い分けることができますが、
遺言書を作る目的が「相続の対策」であれば、
自筆証書遺言に比べて、公正証書遺言のほうが
圧倒的に安全で確実性が高いからです。
(遺言を作る目的が「遺族に最後のメッセージを残す」であれば、
自筆証書遺言やエンディングノートなどで足りるでしょう。)
公正証書遺言の作成には、資産などの状況に応じて
数万円から数十万円の費用がかかります。
しかし、相続がきっかけで家族・親族が争ったり、
離散したりする可能性を大幅に減らし、
自分の死後に家族が円満に暮らしてもらうために必要な出費と考えると、
公正証書遺言を作るための費用は、
決して高い出費ではないと思います。
(遺産が少なければ、費用も少なくて済むことが多いです。)
公証人の手数料 http://www.koshonin.gr.jp/business/b01
司法書士・行政書士 木崎正亮
~相続と中小企業の法務ドクター~
博多駅の司法書士・行政書士 だいふく法務事務所
注:一般のかたにとって解りやすい説明を心がけています。
専門用語や細かい言い回しを極力避けているため、
必ずしも正確とはいえない表現が含まれていることがあります。
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