飲食店のドタキャン対策、何かしてますか?

2018/03/13
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【飲食店のドタキャン問題】

 

利用予定者が飲食店で利用予約をして、

飲食店側は座席や料理の手配をしているにもかかわらず、

利用予定者が、当日、予約時刻の直前にキャンセルしたり、

そもそもキャンセルの連絡すら来ない

という問題です。

 

最近は、同じグループが同日同時刻で複数の店舗に予約を入れて、

当日の気分で行きたい店に行く、

なんてことが横行しているらしいです。

 

なんとも迷惑な客ですね。というか、客でもない。

予約をされたお店はもちろん、

他の利用者も同日同時刻にその飲食店を予約できない、

といった被害を受けます。

 

【被害軽減策の登場】

 

こんな飲食店の悩みを解消するために、

「ドタキャン防止システム」を「全日本飲食店協会」を

飲食店向けに無償でサービス提供を始めました。

(2018年2月19日~)

 

システムの概要は、

ドタキャン被害を受けた飲食店が、

そのシステムに電話番号などを登録して、

電話番号を共有し、

「皆でブラックリストを作ろう」

というものです。

 

おもしろ取り組みですね。

新聞記事によると、

このシステムによるサービス提供が始まってすぐに、

申込みが殺到してサーバーがパンク状態になったとのことです。

 

 

【ドタキャン加害者に損害賠償請求はできないのか?】

 

飲食店に予約をして、直前でキャンセルをしたり、

キャンセルすることなく行かない場合、

飲食店としては、

食材の廃棄、

他の利用者を受け入れることができたにもかかわらず、

受け入れることができず、得られる利益を得られなかった

といった損害を被ります。

 

法律的には、被った損害について、

損害賠償請求ができる可能性があります。

 

相手がどこの誰だか特定できている場合は、

そのような請求も可能かもしれません。

 

一方で、どこの誰だか特定できない、

あるいは特定できるかもしれないが手間が大変、

という場合(ドタキャン問題では、それが大半でしょう。)は、

残念ながら泣き寝入りしているのが現状のようです。

 

そこで、「ドタキャン防止システム」の需要が高まるわけですね。

 

飲食店側としては、

宴会やパーティーの規模が大きい場合は、

少なくとも電話番号以外にも

氏名や住所、所属なども合わせて聞いておく、

事前に打ち合わせのために飲食店に来てもらう

などの対応も考えて、

自ら被害を防ぐべきだと思います。

 

裁判なんて、やっても手間やコストがかかりますし、

そもそも現在の民事裁判制度では、

裁判に勝った場合でも

実際にお金を払ってもらえないことが往々にしてあります。

(日本の民事裁判制度の重大な欠陥だと思います。)

 

 

【電話番号などの情報の取扱いの法的な問題は?】

 

個人情報保護法でいうところの個人情報とは、

その情報に含まれる氏名や生年月日などの記述記録などにより

特定の個人を識別することができるものをいい、

電話番号のみでは特定の個人を識別することができないと考えられているため、

同法でいう個人情報に該当しません。

(個人情報保護法、個人情報保護委員会ガイドライン)

 

仮に個人情報に該当する場合は、

同法では、利用の仕方は範囲などについて明示して、

その個人の同意を得る必要があります。

 

個人情報保護法の適用がない場合であっても、

個人の情報が法的に保護されることがありますので、

飲食店に保管している情報の取扱には気を付けなければなりません。

 

相手方が判明しているからとって、

飲食店側が、ドタキャンした人の氏名やドタキャンの事実を

インターネット上に曝したり、

誹謗中傷をしたりすると、

悪いのはドタキャンをした人であったとしても、

飲食店の行為が名誉毀損罪や侮辱罪になることがありますので、

そのようなことは止めましょう。

(お気持ちは、とても良くわかります。)

 

(ドタキャン防止システム)

https://peraichi.com/landing_pages/view/dotacannot

 

(「申し込み殺到でサーバがパンク状態」 飲食店“ドタキャン”防止システム 19日からスタート)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/16/news115.html

 

 個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)

(定義)

第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、

次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等

(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。第十八条第二項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)

により特定の個人を識別することができるもの

(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)

二 個人識別符号が含まれるもの

 

「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び

「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」

に関するQ&A

平成29 年2月16 日

(平成29 年5月30 日更新)

個人情報保護委員会

 

(個人情報)

Q1-3 住所や電話番号だけで個人情報に該当しますか。

A1-3 個別の事例ごとに判断することになりますが、他の情報と容易に照合すること

により特定の個人を識別することができる場合、当該情報とあわせて全体として個人情

報に該当することがあります。

 

(個人識別符号)

Q1-22 携帯電話番号やクレジットカード番号は個人識別符号に該当しますか。

A1-22 携帯電話番号やクレジットカード番号は、様々な契約形態や運用実態があり、

およそいかなる場合においても特定の個人を識別することができるとは限らないこと等

から、個人識別符号に位置付けておりません。

なお、このような番号も、氏名等の他の情報と容易に照合することができ、それによ

り特定の個人を識別することができることとなる場合には、個人情報に該当します。

 

 

 

司法書士・行政書士 木崎正亮

 

~相続と中小企業の法務ドクター~

 博多駅の司法書士・行政書士 だいふく法務事務所

 

注:一般のかたにとって解りやすい説明を心がけています。

専門用語や細かい言い回しを極力避けているため、

必ずしも正確とはいえない表現が含まれていることがあります。

本サイトに掲載している情報のご利用は、

自己責任でお願いいたします。

 

(I write English translation experimentally.

I do not guarantee accuracy of translation.)

 

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