後見制度支援信託とは?

2021/07/30
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こんにちは。事務員の豊福です。

 

今回は後見制度支援信託について見ていきたいと思います。

 

 

後見制度支援信託とは?

 

後見制度支援信託は,後見制度による支援を受ける方(ご本人)の財産のうち、

 

日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、

 

通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みのことです。

 

成年後見と未成年後見において利用することができます。

 

信託財産は、元本が保証され、預金保険制度の保護対象にもなります。

 

後見制度支援信託を利用すると、信託財産を払い戻したり、信託契約を解約し

 

たりするにはあらかじめ家庭裁判所が発行する指示書を必要とします。

 

このように、後見制度支援信託は,ご本人の財産の適切な管理・利用のための

 

方法の一つです。

 

財産を信託する信託銀行等や信託財産の額などについては,原則として弁護士、

 

司法書士等の専門職後見人がご本人に代わって決めた上、家庭裁判所の指示を

 

受けて、信託銀行等との間で信託契約を締結します。

 

 

後見制度支援信託のメリット・デメリット

 

<メリット>
  • ①財産管理者の負担が軽減する
  • ②本人の財産を安全確実に保護できる
  • ③後見制度支援信託の手続終了後においては、専門職後見人の関与なく親族のみの後見業務が可能

まず①についてですが、既述のとおり後見制度支援信託の手続終了後に

 

いては、親族後見人が管理すべき財産は、基本的に日常的な支払いに必要

 

な分の金銭(100万~500万円程度)のみとなりますので、

 

財産管理者の責任が大きく軽減することとなります。

 

続いて②についてですが、それ相応の保険や対策がなされており、

 

一般的にただ単純に預金口座で管理するよりも高い安全性を保つことが可能です。

 

最後に③についてですが、おそらくこれが利用希望者にとって

 

最大のメリットになるのでしょう。

 

当該手続の結果、親族のみの後見業務が可能となり、本人の財産から専門

 

職後見人や後見監督人への報酬を支払わなくて済むようになります。

 

また、当然ながら裁判所との関係性そのものは続きますが、少なくとも後

 

見監督人等の関与はなくなることになります。

 

<デメリット>

 

  • ①払い戻しや解約が必要になった際にひと手間必要となってしまう
  • ②現制度上、後見制度支援信託契約時には専門職後見人の関与が必須である
  • ③対応できる金融機関が限られている
  • ④保佐や補助では利用できない

 

同様にまず①についてですが、ケースとしては少ないと思いますが、

 

それが必要になったとしても、任意に払い戻しや解約をすることはできません。

 

管轄裁判所にそうした事情を報告の上、”指示書”なるものを入手、

 

それを対象となる金融機関に提出後、諸々の手続を行う必要があるわけです。

 

続いて②についてですが、専門職後見人の関与がなくなるのは、あくまで

 

手続終了後の話しです。

 

 

なぜなら契約自体は必ず専門職後見人が行う必要があるからです。

 

もちろん後見制度支援信託締結にかかる報酬も発生します

 

(ただし、報酬はあくまで本人の財産から拠出されるものであり、

 

 

親族負担とはなりません。)。

 

尚、手続に関与した専門職後見人は、その契約終了後に辞任する流れとなります。

 

③についてですが、どの金融機関でも取り扱いができるというわけでは

 

なく、あくまで対象となる金融機関は限られています。

 

ただし、実際に銀行に出向く機会は極端に少ないと思うので、

 

たいしたデメリットにはならないかもしれません。

 

④についてですが、そもそも後見制度支援信託は、

 

成年後見と未成年後見にのみ認められた制度です。

 

そのため、被保佐人や被補助人の手続では希望したとしても、

 

適用がないため利用できません。

 

ちなみに任意後見契約を結んだケースでも、同様に後見制度支援信託の

 

適用はないとされています。

 

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

豊福 舞

 

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