相続放棄とは?

2015/07/28
Pocket

相続放棄という言葉を聞かれたことがありますか。「相続放棄」には、二つの意味で用いられていることが多いようです。今日は、その解説です。

 

【第一の意味】

法定相続人の一部の相続人が、その相続分を一切もらわずに「相続分を放棄する」という意味で用いられる場合です。

例えば、父太郎が他界し、相続が発生し、その法定相続人として一郎、二郎、三郎の3人がいるというケースを想定してみましょう。父太郎のすべての資産を長男である太郎が相続することについて、3名の間で合意して、二郎、三郎が「俺たちは、父さんの遺産はいらないから、相続放棄するよ。」と言い、一郎が「じゃ、俺が父さん遺産を全部相続するよ。」と言うようなときです。これ、実態は、話合いによる遺産分けであり、遺産分割協議です。この場合の「相続放棄」は、法律用語ではありません。

 

【第二の意味】

民法という法律で定められている「相続の放棄」です。これは、相続が発生した後に、家庭裁判所に申述(申請みたいなものです。)して、その相続について最初から相続人にならなかったことにしてもらう制度をいいます。上記例でいえば、二郎と三郎が家庭裁判所で相続放棄の手続をとれば、相続人は一郎のみとなります。「俺が父さん遺産を全部相続するよ。」みたいな一郎の意思表示はいりません。

司法書士などの専門家が「相続放棄」という場合は、通常、こちらの場合を指すことが多いと思います。

 

【実際の使い分け】

相続するものが資産しかない、あるいは借金があるけど、借金よりも資産のほうが多いという場合は、遺産分割の方法をとることが一般的でしょう。(借金と遺産のいずれが多いのかハッキリとしない場合は、限定承認という方法をとることがあります。)

家庭裁判所における相続放棄制度を利用するケースの典型は、資産よりも借金が多い場合です。遺産分割協議の方法によっては借金から逃れることはできませんが、相続放棄制度を利用すれば、法律上、「その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」、つまり最初から相続人の地位を得なかったことになり、被相続人の借金(財産も)を相続しなくて良くなるからです。上記の例では、二郎と三郎は、父太郎の相続に関しては、最初から相続人ではなくなります。

 

【相続放棄の注意点】

相続放棄の際に特に注意しなければならないことは、申述できる期間に制限があることです。被相続人について「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内」とされています。葬儀だ、各種行政手続きだ、法事だと慌ただしくしているうちに、3か月くらいは経ってしまいますので、借金が多そうということであれば、四十九日を待たずに早めに専門家に相談しましょう。また、相続対象の資産を勝手に使ってしまうと「相続財産を処分」したことになり、相続を承認したものとみなされてしまい、この相続放棄ができなくなりますので、気を付けましょう。

 

家庭裁判所における相続放棄制度の詳細は、また後日に書きたいと思います。

 

司法書士・行政書士 木崎正亮

~相続と中小企業の法務ドクター~

 博多駅の司法書士・行政書士 だいふく法務事務所

 

注:一般のかたにとって解りやすい説明を心がけています。専門用語や細かい言い回しを極力避けているため、必ずしも正確とはいえない表現が含まれていることがあります。本サイトに掲載している情報のご利用は、自己責任でお願いいたします。

 

(I write English translation experimentally. I do not guarantee accuracy of translation.)

 

Shiho-shoshi and Gyosei-shoshi MASAAKI KIZAKI

Daifuku Lawyer Office (Shiho-shoshi and Gyosei-shoshi) at Hakata Station

Address:2-24, Hiemachi, Hakata-ku, Fukuoka-shi, Fukuoka-ken Japan.

Phone:092-432-3567

 

Pocket

コメントは受け付けていません。